女性の薄毛

コラム

女性特有の脱毛症(びまん性脱毛症、分娩後脱毛症、牽引性脱毛症)の特性について

女性の脱毛症と一口で言っても、詳細な症状によって名称も原因も異なります。

女性の脱毛症よりも男性の脱毛症の方が認知されているため、女性特有の症状に関してはまだまだ理解が足らず、頭部に脱毛の症状が見られると、周囲の目が気になり外出できなくなったり、人を避けるようになったりと、ストレスがたまってさらに症状が悪化する、という悪循環に陥ってしまう場合もあります。事前に、女性特有の脱毛の種類やその原因、予防対策を知っておくことが重要といえるでしょう。

そこで今回は、女性特有の脱毛症の特徴や、各症状に応じて改善や対策をご紹介します。

びまん性脱毛症とは

女性特有の脱毛症のひとつ「びまん性脱毛症」は、頭髪全体が少しずつ薄くなっていき、やがて一面に広がっていく脱毛症です。男性のような「ハゲ頭」にはなりにくいですが、頭髪が薄くなることで老けた印象になってしまうこともあります。

一般的に薄毛は、ヘアサイクルの乱れによって引き起こされます。それはびまん性脱毛症も例外ではありません。人間の髪の毛は「成長期」・「退行期」・「休止期」といったサイクルを繰り返し、一定周期で生え替わります。ヘアサイクルが正常であれば、成長期に髪が成長し、退行期から休止期に成長が止まり、やがて抜け落ちます。サイクルが乱れると、十分に髪が成長しないまま抜けてしまったり、新たな発毛が起こらず、薄毛になってしまいます。ヘアサイクルが乱れる理由として、以下の4点が挙げられます。

【ホルモンバランスの乱れ】

女性の体内にも一定の男性ホルモンが存在します。ですが、基本的には女性ホルモンが優位な状態です。女性ホルモンであるエストロゲンには、肌や髪の新陳代謝を促す働きがあり、ヘアサイクルを保つ上で重要な役割を果たします。そのホルモンバランスが乱れ、エストロゲンの分泌が少なくなるとヘアサイクルが乱れてしまい、薄毛を引き起こすのです(※a)ホルモンバランスは、過度なストレスや生活習慣の乱れによって引き起こされるケースも少なくありません。ですので、私生活を見直すことも大切です。それでも改善されない場合、専門クリニックなどで治療を受ける必要があります。

【ストレス】

心身のストレスは髪に悪影響を与えます。人はストレスを感じると交感神経が緊張状態となり、全身の血管が収縮するのです。血行が悪化すると、発毛や髪の成長に必要な栄養素を頭皮まで送り届けにくくなり、結果として薄毛を引き起こす原因となります。定期的に適度な運動や、趣味に没頭する時間などを確保し、ストレスを溜め込まないように心がけましょう。

【食生活】

栄養バランスの偏った食生活や、無理なダイエットによる栄養不足もヘアサイクルを乱します。タンパク質やミネラル、各種ビタミンなどが不足すると、発毛や髪の成長ができなくなるのです。各種栄養素を意識しながら、バランスのよい食生活を心がけてください。

【不適切なヘアケア】

頭皮に合わないシャンプーを使用したり、ヘアカラーを繰り返したりすると、髪や頭皮がダメージを受けます。不適切なヘアケアも、ヘアサイクルを乱す原因の一つです(※b)頭皮に違和感を覚えたらシャンプーを変更したり、ヘアカラーの頻度を下げたりするとよいでしょう。

びまん性脱毛症の治療は、これらの原因を根本から解消することが第一です。まずは日々の生活を見直し、間違った生活習慣になっていないかを確認しましょう。脱毛の進行具合が深刻な場合は、病院での治療をおすすめします。

分娩後脱毛症とは

「分娩後脱毛症」とは、産後に抜け毛が発生する現象のことを指し、出産後の2~3カ月頃に脱毛の症状が現れることが特徴です。

分娩後脱毛症の原因の多くは、女性のホルモンバランスにあります。妊娠期は女性ホルモンが増加するので抜け毛が減少しますが、出産後は女性ホルモンの増加が止まり休止期に入るのでその分だけ抜け毛が多くなるのです。また、育児によるストレスが抜け毛を助長する恐れもあります。

分娩後脱毛症は通常であれば、半年~1年で自然回復するのでそれほど心配はありません。ただし高齢出産であることや、心身のストレスが続いてホルモンが乱れていると回復が遅れることがあります。気にしすぎないことが一番ですが、ストレスがたまるとどうしても治りにくいので、しっかりと休息を取り日々の生活習慣を改善するよう心掛けましょう。

牽引性脱毛症とは

牽引性脱毛症とは、外部要因によって頭髪が強く引っ張られることで抜け毛が生じる現象のことを指します。

髪を引っ張る状態が長時間続くと、頭皮の血行が悪くなります。その結果頭皮に栄養が行き渡らず、栄養不足で髪の毛が細くなることで、抜け毛につながるのです。また、単に髪を強く引っ張るだけでも、髪の毛の成長や生え変わりを圧迫し悪影響を及ぼします。場合によっては、同じ箇所から髪の毛が二度と生えなくなることもあるので注意が必要です。

解決法としては、ポニーテールなど同じ髪形を毎日続けないことや、エクステなどで頭皮に負担をかけすぎないこと、または強度なヘアアイロンの使用を避けることなどがあります。いずれも髪と頭皮に負担とダメージを与えるものなので多用を見直すことが望ましいといえます。重要なのは、髪を引っ張る力をできるだけ緩めて、ほぐし、日々髪と頭皮に適度な休息を与えることです。

その他の脱毛症

・脂漏性(しろうせい)脱毛症

脂漏性(しろうせい)脱毛症は、皮脂が過剰に分泌することで生じる脱毛症です。食生活の乱れやストレス、肌に合わないシャンプー剤などを使用することで皮脂が過剰に分泌して炎症が起こり、抜け毛が発生します。放置しておくと、脂漏性皮膚炎につながることもあります。

・円形脱毛症

円形脱毛症は突然頭部の一部に円形状の脱毛が生じる現象です。ひどい場合は、何カ所も脱毛が生じることがあります。原因としては、ストレスやアレルギー疾患などがあげられます。円形脱毛症は絶対治るという治療がまだ確立していませんが、なかなか治らない場合は、皮膚科へ相談してみてください。

・粃糠性(ひこうせい)脱毛症

粃糠性(ひこうせい)脱毛症は、頭皮の大量のフケと共に発生する脱毛症です。フケが多いとそれだけ毛穴が詰まって炎症が起こり、抜け毛が起きやすくなります。原因としてはシャンプーをしすぎてしまうことや、洗髪時にゴシゴシと刺激を与えすぎる、などがあります。

脱毛のほとんどはホルモンの変化・ストレスといった内部要因と、髪を引っ張る・シャンプーのしすぎといった外部要因のふたつに分かれます。いずれも生活習慣を見直すと改善されることが多いので、まずは日々の生活のあり方を振り返ってみましょう。脱毛の具合が深刻な場合は、悩まずに病院に相談することをおすすめします。

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