ピルについて学ぶ
生理が終わらないのはなぜ?8日以上続くときの原因と受診の目安を解説
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正常な生理は3〜7日で終わるのが目安です。8日以上続いたり、少量の出血がだらだら長引いたりする状態は「過長月経(かちょうげっけい)」と呼ばれ、何らかの原因が隠れていることがあります。
原因の多くはホルモンバランスの乱れですが、子宮筋腫やポリープなどの病気が背景にある場合もあります。10日以上続く、量が多い、40代以降で出血が増えたといったときは受診の目安です。多くは低用量ピルやホルモン治療で整います。この記事では、原因と受診の目安、治療法を整理します。
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宮路 貴晶
TAKAAKI MIYAJI
- 2004年03月
- 東邦大学医学部医学科 卒業
- 2008年04月
- 戸塚共立第一病院
- 2010年04月
- 聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室
任期付助教 - 2011年11月
- 町屋皮フ科クリニック 院長
- 2016年04月
- 所沢中央病院健診クリニック
企業・社会福祉法人 嘱託医 - 2020年05月
- 堀之内ハーモニー皮膚科 院長
- 2021年06月
- イースト駅前クリニック秋葉原院
院長就任
正常な生理は3〜7日で終わる
生理(月経)の長さは個人差がありますが、3〜7日で終わるのが正常の範囲とされています1。3日や4日で終わっても、毎回だいたい同じならとくに心配はいりません。出血の量は後半になるにつれて減り、鮮やかな赤から茶色っぽい色に変わって終わっていきます。
| 状態 | 目安 |
|---|---|
| 正常な生理の日数 | 3〜7日 |
| 終わりかけの目印 | 量が減り、色が茶色っぽくなる。おりものに少し混じる程度になる |
| 注意したい日数 | 8日以上続く(過長月経の可能性) |
「終わったかどうか分かりにくい」というときは、ナプキンにつくのがごく少量の茶色いおりもの程度になれば、ほぼ終わりと考えてよいでしょう。判断に迷う出血が続く場合は、次に説明する過長月経や不正出血の可能性があります。
8日以上続くなら過長月経の可能性がある
月経の出血が8日以上続く状態を「過長月経」といいます1。量が多いまま長引くこともあれば、少量の出血がだらだらと10日以上続くこともあります。「生理が少量で10日続く」「10日以上終わらない」という状態は、過長月経にあてはまる可能性があります。
一方で、いったん生理が終わったのに数日後にまた出血する場合は、生理ではなく「不正出血」のことがあります。生理と生理の間に起こる出血で、原因が過長月経とは異なる場合があります。どちらも続くときは一度婦人科で原因を確かめるのが安全です。
過長月経と不正出血の見分け方
- ●生理が始まってからずっと出血が続く → 過長月経の可能性
- ●生理が終わったあと、数日あけてまた出血した → 不正出血の可能性
出血の色や塊からわかること
出血の色や塊の有無も、状態を見分ける手がかりになります。あくまで目安ですが、次のような出血が続くときは受診を検討してください。
| 出血の様子 | 考えられること |
|---|---|
| 鮮やかな赤い出血が続く | 今も出血が進んでいる状態。量が多いと貧血につながりやすい |
| 茶色・黒っぽい少量がだらだら | 古い血が出ている状態。ホルモンの乱れやポリープなどでも起こる |
| レバーのような塊が出る | 経血量が多いサイン。子宮筋腫・子宮腺筋症などが背景のこともある |
※色や塊だけで病気は判断できません。気になるときは婦人科で確認してください。
生理が終わらない主な原因
生理が終わらない原因はいくつかあります。最も多いのはホルモンバランスの乱れですが、子宮の病気が隠れていることもあります。
| 原因 | 特徴 |
|---|---|
| ホルモンの乱れ・無排卵 | ストレスや疲れ、ダイエット、睡眠不足などで排卵がうまく起こらず(多嚢胞性卵巣症候群=PCOSなどの排卵障害を含む)、子宮内膜がだらだらと剥がれて出血が長引く。若い世代や更年期に多い |
| 子宮筋腫・子宮内膜ポリープ | 子宮にできた良性のこぶ(筋腫)や粘膜のできもの(ポリープ)。子宮内膜の表面積が広がり、子宮がうまく収縮できないため、経血量が増えて長引きやすい |
| 子宮腺筋症 | 子宮の筋層に内膜組織が入り込む病気。筋層が厚くなって子宮が収縮しにくくなり、経血量が増えて長引く。強い生理痛をともないやすい |
| 甲状腺の病気 | ホルモンの異常で月経が乱れることがある |
| 妊娠に関連した出血 | 流産や子宮外妊娠などで出血が続くことがある。妊娠の可能性があれば早めに受診 |
| 低用量ピルの飲み始め | 飲み始めの数か月は不正出血が起こりやすい。多くは続けるうちに落ち着く |
| 子宮の悪性の病気 | 頻度は低いが、子宮体がん・子宮頸がんでも不正な出血が起こる。とくに閉経後の出血は要注意2,3 |
参考:日本産婦人科医会「正常な月経の目安」/国立がん研究センター がん情報サービス(子宮体がん・子宮頸がん)
年代によって多い原因は変わる
- ●10代(思春期) … 卵巣やホルモンの働きがまだ未成熟で、排卵が安定せず長引きやすい
- ●20〜30代 … ストレス・睡眠不足・ダイエットによるホルモンの乱れが中心。子宮筋腫やポリープなどの病気も増えはじめる
- ●40代以降 … 更年期に向けたホルモンの変化によることが多い(次の章でくわしく解説)
40代の長引く生理は更年期のサインかも?
40代に入って生理がなかなか終わらない、量や周期が不安定になった、というときは、更年期に向けてホルモンが変化しているサインのことが多いです。排卵が不規則になり、子宮内膜が剥がれるタイミングが乱れるため、だらだらと長引いたり鮮血が続いたりします。
ただし、更年期だからと安心して放置するのは禁物です。量が急に増えた、レバーのような塊が出る、閉経したと思ったあとに出血したという場合は、子宮の病気が隠れていないかを確かめる必要があります。年齢のせいと決めつけず、一度検査を受けておくと安心につながります。
こんなときは婦人科を受診してください
次のような場合は、自己判断せず婦人科(女性外来)を受診してください。生理が終わらない悩みは婦人科が専門です。

- ●出血が10日以上続いている
- ●経血量が多い、レバーのような塊が出る
- ●立ちくらみ・動悸・息切れなど貧血の症状がある
- ●生理が終わってもまた出血する、を繰り返す
- ●40代以降で出血量が増えた、閉経後に出血した
- ●性交のあとに出血する
- ●妊娠の可能性がある
長引く出血は、気づかないうちに鉄欠乏性貧血が進んでいることがあります。だるさ・息切れ・立ちくらみがあるときは早めに相談してください。
受診〜検査の流れと、内診が不安なときは
婦人科の受診は次のような流れが一般的です。出血中でも受診できるので、「終わってから」と先延ばしにしなくて大丈夫です。
- ●問診(生理の開始日・続いている日数・量・痛みの有無など)
- ●超音波(エコー)検査で子宮筋腫やポリープがないかを確認
- ●必要に応じて血液検査(貧血・ホルモン)や、子宮体がん・頸がんの検査
内診が不安なときは、その旨を伝えれば配慮してもらえます。性交渉の経験がない場合はお腹の上からのエコーに変更でき、基礎体温をつけていれば持参すると診断の助けになります。脱ぎ着しやすいスカートだと当日スムーズです。
生理が終わらないときの検査と治療
婦人科では、まず原因を調べる検査を行います。超音波(エコー)で子宮筋腫やポリープがないかを確認し、必要に応じてホルモン検査や、子宮体がん・頸がんの細胞診を行います。原因によって治療法が変わるため、まず原因を見つけることが大切です。
治療は原因や症状によって幅があり、医師が状態に合わせて選びます。代表的な方法は次のとおりです。
- ●低用量ピル・LEP製剤 … 生理周期と経血量を整える
- ●止血剤(トラネキサム酸) … 出血そのものを抑える
- ●黄体ホルモン製剤 … ホルモンを補い、出血をコントロールする
- ●子宮内システム(ミレーナ/LNG-IUS) … 子宮内に装着し、経血量を大きく減らす
- ●漢方薬 … 体質や症状に合わせて用いる
- ●子宮筋腫・ポリープなど原因疾患がある場合は、その治療を優先する
- ●長引く出血は貧血を招くため、血液検査でヘモグロビンやフェリチン(貯蔵鉄)も確認する
ホルモンの乱れが軽い場合は、十分な睡眠・バランスのよい食事(鉄分を意識)・適度な運動で整うこともあります。ただし出血が長引くときは自己判断で様子を見すぎず、まず原因を確かめてください。
低用量ピル・ホルモン治療で周期を整える
ホルモンの乱れが原因の場合、低用量ピルで生理周期を整えることで、だらだら続く出血や経血量の多さが落ち着くことが多いです。低用量ピルは子宮内膜が厚くなりすぎるのを抑えるため、経血量が減り、生理の期間も安定します。子宮筋腫やポリープなど病気が原因の場合は、その治療を優先します。イースト駅前クリニック女性外来では、来院のほかオンライン診療でも相談できます。
低用量ピルの種類や使い方は低用量ピルのページでも説明しています。
よくある質問
少量の出血が10日続くのは異常ですか
8日以上続く出血は過長月経にあたる可能性があり、少量でも10日続くなら一度受診をおすすめします。ホルモンの乱れのことが多いですが、ポリープなどが隠れている場合もあります。
自分で生理を早く終わらせる方法はありますか
確実に早く終わらせる市販の方法はありません。規則正しい生活で整うこともありますが、長引く出血が続く場合は、低用量ピルなどで周期を整えるのが現実的です。市販薬で無理に止めようとせず、原因を確かめてください。
生理の終わりかけに性行為をすると妊娠しますか
可能性はあります。周期が乱れているときは排卵のタイミングも読みにくく、終わりかけでも妊娠することがあります。妊娠を望まない場合は避妊をしてください。なお出血中の性行為は感染を起こしやすいため注意が必要です。
生理が10日以上続くのは病気ですか
必ずしも病気とは限らず、ホルモンの乱れが原因のこともあります。ただし子宮筋腫やポリープ、まれに悪性の病気が隠れていることもあるため、10日以上続くなら検査で原因を確認しましょう。
出血中でも受診できますか
受診できます。むしろ出血している状態を直接みてもらえるため、原因を確かめやすい面もあります。「生理が終わってから」と待つ必要はありません。気になる出血が続くときは、出血中でも早めに相談してください。
ピルを飲み始めてから、かえって出血が長引いています
低用量ピルを飲み始めた最初の数か月は、少量の不正出血(だらだらした出血)が起こりやすく、多くは飲み続けるうちに落ち着きます。自己判断でやめず、続けても改善しない・量が多いときは医師に相談してください。
参考文献
- ●1 日本産婦人科医会「正常な生理(月経)の目安を教えてください!」― 正常な持続日数3〜7日・8日以上=過長月経の出典 日本産婦人科医会
- ●2 国立がん研究センター がん情報サービス「子宮体がん」― 不正出血・閉経後出血の出典 ganjoho.jp
- ●3 国立がん研究センター がん情報サービス「子宮頸がん」 ganjoho.jp
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宮路 貴晶
TAKAAKI MIYAJI
- 2004年03月
- 東邦大学医学部医学科 卒業
- 2008年04月
- 戸塚共立第一病院
- 2010年04月
- 聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室
任期付助教 - 2011年11月
- 町屋皮フ科クリニック 院長
- 2016年04月
- 所沢中央病院健診クリニック
企業・社会福祉法人 嘱託医 - 2020年05月
- 堀之内ハーモニー皮膚科 院長
- 2021年06月
- イースト駅前クリニック秋葉原院
院長就任




