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PMDD(月経前不快気分障害)とは?診断の基準や症状、治療方法をご紹介

公開日:最終更新日:

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PMDD(月経前不快気分障害)について、症状や治療方法、PMSとの違いについてご紹介します。 生理前に、日常生活に支障をきたす程のうつうつとした症状、不安や緊張、情緒不安定、 怒りやイライラに陥ってしまったなどの経験のある方は、ぜひ参考にしてください。

  • 松沼 寛

    HIROSHI MATSUNUMA

    1998年03月
    名古屋大学医学部 卒業
    1998年04月
    岡崎市民病院 勤務
    2000年04月
    名古屋大学医学部付属病院 勤務
    2008年07月
    市立四日市病院 勤務
    2020年04月
    イースト駅前クリニック岡山院
    院長就任
    2022年05月
    イースト駅前クリニック女性外来院
    院長就任
    資格
    泌尿器科専門医
    所属学会
    日本泌尿器科学会

PMDD(月経前不快気分障害)とは?

性ホルモンにより、ほかの治療で改善しない PMDD(月経前不快気分障害)とは、月経が始まる2週間前頃から生じる、 うつ気分、不安・緊張、情緒不安定、怒り・イライラといった 日常生活に支障をきたす程の重い精神的不調です。 月経後、これらの症状は軽くなる、 もしくはなくなるのが特徴です。

(※1)

PMSとの違い

PMDDはPMS(月経前症候群)の症状よりも、精神的不調の程度がとくに重いのが特徴です。 PMSも同じく月経が始まる2週間前ごろから生じますが、 中等度の精神的症状頭痛や腹痛等といった 身体的な症状が現れます。

(※1)

PMDDの主な症状

PMDDはPMSの症状と同じく月経が始まる2週間前頃から生じますが、 PMSよりも精神的不調の程度が重く日常生活に支障をきたす程の重い精神的不調が現れます。 主な症状は、うつ気分、不安・緊張、情緒不安定、怒り・イライラといった症状です。












2013年米国精神医学会が作成した 「DSM-5」という診断基準では、 PMDD を正式な病名として、 うつ病と同じように治療が必要な症状として扱われるようになりました。

上のチェックリストのうち、下記条件を満たしている場合はPMDDの疑いがあります。

  • ①のうち1つ以上該当する
  • ②のうち1つ以上該当する
  • ①と②を併せて合計5個以上該当する
  • ③の全てに該当する

診断基準を満たす有月経女性は3~8%といわれ、その中でも重症といわれるのは3~8%と報告されています。

PMDDは治療により症状が改善できますので、 月経周期と相関して症状がみられる場合には 医療機関に相談するといいでしょう。 また、月経に関係なく症状が続く場合は、 パニック障害やうつ病、パーソナリティ障害といった精神疾患など別の病気の可能性もあります。 一人で抱え込まず、医師に相談しましょう。

(※1、2)

PMDDの原因

PMDDの原因は未だに解明されておりません。

一般的には、月経前に生じる、 エストロゲンとプロゲステロンの減少が何らかの原因となっていることも考えられています。 しかし多くの研究で、PMDDの症状がある人とない人で、 排卵後のエストロゲン、プロゲステロン濃度に差がみられないことが報告されています。

PMDD の外的な要因では、外的なストレスストレスとなるさまざまなライフイベントが関連していることが分かっています。 例えば、DSM-5ではPMDD発症の環境因子として、 対人関係上の外傷体験、季節の変化などが挙げられています。 さらに、マタニティブルーや産後うつ病、反復性の大うつ病,双極性障害などの 精神疾患を以前に経験されている方は、 比較的そうではない方と比べると発症しやすいといった研究報告もあります。

(※1)

PMDDの主な治療方法

PMDDの治療で最も主流となっているのは、「SSRI」などの抗うつ薬による薬物療法低用量ピルによるホルモン療法です。 DSM-5では、PMDDはうつ病と同列に並ぶくらいつらい精神的症状として扱われています。 ご自身で解決しようとはせずに、まずは医師に相談しましょう。

SSRIによる治療 ※当クリニックでは扱っておりません

SSRIとはSelective Serotonin Reuptake Inhibitor(選択式セロトニン再取り込み阻害薬)の略で、 うつ病や不安障害の方への処方薬として普及している薬です。

副作用として「目まい・吐き気」などといった症状がありますが、 従来の抗うつ薬と比べると比較的副作用が起こりにくいとされています。 PMDDで処方される場合は、少量で内服することが多いでしょう。 飲み始めてから実際に効き始めるまでに、平均的に2週間~2ヶ月前後かかるといわれています。 効果を感じるまでに時間がかかるので、焦らず様子をみるようにしてください。

(※3、4)

低用量ピルによる治療

PMDDの治療では低用量ピルがおすすめです。 とくにヤーズのようなドロスピレノン含有のLEPによる治療で、 PMDDの改善が認められたという研究報告もあります。

低用量ピルは、排卵を抑えることで、女性ホルモン量をある程度一定に保つことができる薬です。 ホルモンバランスの急激な変化を抑えることができるため、PMSPMDDといった症状を改善することができると考えられております。

(※1、5)

PMDDは早めに医師にご相談ください

重症のPMDDはうつ病と並ぶくらい治療が必要な症状です。 最近では、インターネットで薬を購入することも可能ですが、 自己判断で薬を服用するのはたいへん危険です。 通販などで購入した薬には、偽物が混じっていることもあります。 一人で抱え込まず、医師とよく相談した上で、治療を進めましょう。

参考URL

※1)大坪 天平「精神科からみた PMS/PMDD の病態と治療」『女性心身医学』Vol. 22, No. 3, pp. 258-265,(2018 年 3 月)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/22/3/22_258/_pdf
※2)日本精神神経学会 精神科病名検討連絡会「DSM‒5 病名・用語翻訳ガイドライン(初版)」精神神経学雑誌 第 116 巻 第 6 号(2014) 429‒457 頁
https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/dsm-5_guideline.pdf
※3)ジェイゾロフト 添付文書
https://pfizerpro.jp/documents/lpd/zlt01lpd.pdf
※4)全日民医連「くすりの話 143 抗うつ剤「SSRI」」

くすりの話 143 抗うつ剤「SSRI」


※5)バイエル薬品株式会社「月経困難症」
https://gynecology.bayer.jp/ja/home/product/yaz/

  • 松沼 寛

    HIROSHI MATSUNUMA

    1998年03月
    名古屋大学医学部 卒業
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    2020年04月
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