ピルについて学ぶ

ピルの効果や副作用を徹底解説!避妊だけじゃない多様なメリットをご紹介

公開日:最終更新日:

オンライン診療について

全国どこからでも対応しております

クリニックに来院することなくお電話にて診察、お薬の処方を行える診察方法です。
時間が合わない・忙しくて通院できない・遠くて通えない等の理由で当院への来院ができない方にはとっても便利なサービスです。オンライン診療後は、お薬をご指定の場所にお届けさせて頂きます。

ピルとは世界的に普及している女性ホルモンが含まれている薬です。避妊目的のイメージが強いですが、適切に使用すれば日常生活にもメリットが多くあります。今回は避妊目的だけではないピルの効果や副作用をお伝えしていきます。
  • 松沼 寛

    HIROSHI MATSUNUMA

    1998年03月
    名古屋大学医学部 卒業
    1998年04月
    岡崎市民病院 勤務
    2000年04月
    名古屋大学医学部付属病院 勤務
    2008年07月
    市立四日市病院 勤務
    2020年04月
    イースト駅前クリニック岡山院
    院長就任
    2022年05月
    イースト駅前クリニック女性外来院
    院長就任
    資格
    泌尿器科専門医
    所属学会
    日本泌尿器科学会

ピルの効果や副作用を徹底解説!避妊だけじゃない多様なメリットをご紹介

【比較】先進国のピル服用率

2019年の国連人口部による統計では、婚姻・同棲関係にある女性の服用率は高く、先進国におけるピルの平均服用率は24.6%です。しかし、カナダ43.7%、ドイツ42.3%、アメリカ11.4%なのに対し、日本の服用率は0.9%と他の先進国と比べてかなり低くなっています。これには日本では根強く残る誤解や偏見が関係していると考えられるでしょう。しかし実際、さまざまな効果を持つピルには多くのメリットがあります。

ピルの避妊メカニズム

ピルの主成分は「エストロゲン」という卵胞ホルモンと「プロゲステロン」という黄体ホルモンの2種類です。
低用量ピルを服用することで、この2つのホルモンが脳下垂体に働きかけます。これにより脳は「妊娠した」と認識してホルモン分泌量を減少させるので、排卵を抑制できるのです。またプロゲステロンの影響により子宮内膜の増殖も抑制できるので、着床の阻害や子宮頸管粘液を変化させることによる精子の子宮への侵入防止効果も期待できます。

避妊を目的としたピルの効果

低用量ピルは理想定な使用を行った場合、パール指数(※)0.3%と避妊率が高いです。飲み忘れなどを考慮すると9%ですが、コンドームの避妊率が理想的な使用をした場合で2%、一般的な使用だと18%であることを踏まえると、ピルはコンドームよりもはるかに避妊率が高いことがわかるでしょう。

※100人の女性が避妊方法を1年間実施した場合の妊娠数

世界保健機構(WHO)の定めでは、生理が始まっていればピルの服用は可能で、閉経近く、50歳くらいまで長期的に服用できます。
低用量ピルは7日間連続で服用することで、排卵を妨げられることが複数のデータから示唆されています。また、ピルの服用をやめることで、脳下垂体は再び卵巣に排卵を促すので、妊娠も可能になります。このように避妊目的としての効果が高いピルですが、実は他にも効能が複数あります。

避妊目的ではないピルの効果5選

ピルには避妊目的以外にもさまざまな効果があります。日々を過ごしやすくするための効果から、将来的に命を守ることになる効果まで幅広くあるので、ぜひ一つひとつ押さえておきましょう。

生理時期のコントロール

体内のホルモンバランスを整えることができるため、ホルモンバランスの乱れによる生理不順の緩和が期待できます。また、身体の周期に合わせて薬を飲むタイミングを変えることで、生理時期のコントロールも可能です。

生理痛の緩和

子宮内膜の増殖を抑制するため、機能性月経困難症による生理痛の緩和効果が期待できます。また子宮内膜症子宮筋腫などの痛みが軽減できたり、生理の際の出血量の減少も期待できます。

PMSの緩和

PMSとは月経3日~10日ほど前から続く、精神的あるいは身体的症状です。月経開始と共に軽減もしくは消失します。ピルを服用することで生理周期に伴う女性ホルモンの急激な変動を抑えることができるので、PMSの症状を緩和する効果が期待できます。

ニキビ・肌荒れの改善

ニキビの原因になりうる男性ホルモンの産生を抑える作用があるため、肌荒れの改善も期待できます。特に生理前後に起こるホルモンバランスの変化は肌荒れを引き起こしやすいです。ピルはホルモンバランスを整える効果があるので、生理周期による肌荒れも軽減できるでしょう。

卵巣がん・子宮がん・大腸がんのリスク低下

低用量ピルは長期的服用により複数のがんリスクを減らします。実際、アメリカ・メリーランド州の研究では、低用量ピルの服用によって卵巣がん・子宮がんのリスク低下をさせることがわかりました。また、2017年の共同研究によって大腸がんのリスク低下をすることも明らかになっています。

ピルの副作用3選

ピルには避妊目的だけではなくさまざまな効能があります。しかしピルが持つ女性ホルモンの分泌バランスを変化させる作用はときにデメリットとなることも。服用し始める前に知っておきたい、ピルの副作用について見ていきましょう。

マイナートラブル

低用量ピルは女性ホルモンの含有量が少ないため、副作用は現れにくいとされています。また副作用があったとしても、ほとんどは飲み続けることで自然と解決するようなマイナートラブルです。主なマイナートラブルの割合は以下の通りです。

不正出血 嘔気 体重増加 気分変調 乳房緊満 頭痛
12% 7% 5% 5% 4% 4%

不正出血は通常、ストレスによってホルモンバランスが乱れやすくなることで起きます。ピルを飲むことで今までのホルモンバランスが変化するため、不正出血が起こる場合があります。

生理前はプロゲステロンが増加することで眠気が強くなることがありますが、ピルにも同じプロゲステロンが配合されています。そのため一時的な副作用で眠気が発生することがあります。

これらの副作用は飲み始めに起こりやすいですが、飲み続けることにより自然と改善されます。

血栓症

血栓症とは血液に小さな塊ができることで、血管を詰まらせてしまう症状です。低用量ピルに含まれるエストロゲンには血液を固めやすくする作用があるため、血栓症のリスクが上がる可能性があると考えられています。
発生頻度としては10万人に5人程度なのでかなり低いです。しかし一度発生すると、血液が体の各部位に届きにくくなることで正常な機能を失ってしまい、さまざまな合併症状を引き起こす恐れがあります。ピル服用後に急激な吐き気、痺れ、息切れ、体の脱力などを感じるようならば、早めに医師に相談しましょう。

また授乳している方がピルの服用を開始するのは、血栓症リスクの観点から産後半年以上経ってからにするよう、ガイドラインで推奨されています。産後は女性ホルモンの分泌量が安定しないため生理周期が乱れやすい傾向にありますが、服用のタイミングは医師とよく相談しましょう。

ピル服用における副作用のリスクは高くない

血栓症を含め、副作用のリスクはかなり低く、生活習慣を整えることでリスクはより軽減できます。また、避妊を目的とした使用は認められていないものの、卵胞ホルモンの量が0.03mgより少ない超低用量ピルもあるので、医師との相談の元、個人にあったお薬を服用しましょう。

ピルは避妊目的の他にも、日々の体調の調節や生理周期のコントロールといった、ポジティブな効果があります。服用を検討している方は自分の体や生活スタイルに合わせて医師に相談しましょう

ピルの種類

ピルには卵胞ホルモンの量と1シート当たりの女性ホルモンの配合方法によって2通りの種類分けがあります。それぞれどのような違いがあるのかご紹介します。

中用量ピル・低用量ピル

ピルは含まれる卵胞ホルモンの量により、主に中用量ピルと低用量ピルに分類されます。
中用量ピルは低用量ピルと比べ卵胞ホルモンの量が多く含まれているので、効果が高く、一度飲み忘れてしまったとしても影響が少ないです。アフターピルや月経周期の移動の目的で処方されます。
低用量ピルは中用量ピルに比べ卵胞ホルモンの量が少ないので、副作用を最低限に抑えられます避妊目的で処方されるのでは、この低用量ピルです。また卵胞ホルモンの量をさらに減らした超低用量ピルも存在します。

1相性と3相性

低用量ピルは、女性ホルモンの配合の仕方によって、1相性ピルと3相性ピルに分けられます。
1相性ピルは1シート21錠の薬に含まれるホルモンの量が一定なのに対し、3相性ピル3段階に分かれています。これには21錠の薬に含まれるホルモン量を、より自然なホルモン変動に近づける目的があります。
個人差はありますが、ホルモン変動がない1相性ピルは体調変化が起きにくく、3相性ピルは不正出血が起きにくいとされています。ただし喫煙している人は血栓症のリスクが高まるので注意が必要です。医師に相談して服用してくださいね。

さまざまな効果を持つピルを最大限活用しましょう

世界と比べて日本のピル普及率が低い理由はさまざまです。日本は性教育が遅れているためにピルの正しい知識が広まっていなかったり、男性主導の避妊がメジャーな傾向があります。また海外では低用量ピルを薬局で購入ができるのが一般的ですが、日本では医師による処方が必要だったりと、手に入れるための敷居が高いのが現状です。
しかし近年では、日本でもオンライン診療にて低用量ピルを処方できるクリニックが増えてきました。
当クリニックでも、患者様お一人おひとりの状況や症状に合わせたアドバイスを行っています。ピルの処方をご検討中の方は、ぜひ一度、当クリニックへご相談ください。

婦人科を受診することに抵抗を感じる方や、誰にも知られずに相談したいと考える方のために、当クリニックではオンライン診療も行っています。お好きなタイミングで受信できるので、併せてお気軽にご利用ください。

  • 松沼 寛

    HIROSHI MATSUNUMA

    1998年03月
    名古屋大学医学部 卒業
    1998年04月
    岡崎市民病院 勤務
    2000年04月
    名古屋大学医学部付属病院 勤務
    2008年07月
    市立四日市病院 勤務
    2020年04月
    イースト駅前クリニック岡山院
    院長就任
    2022年05月
    イースト駅前クリニック女性外来院
    院長就任
    資格
    泌尿器科専門医
    所属学会
    日本泌尿器科学会

ピルの関連記事

低用量ピル

生理日移動ピル

  • ノアルテン

    ノアルテン

    5,000円(税込)
    15錠まで:5,000円(税込)
    15錠以上:1錠300円~

アフターピル

  • ノルレボ(国内先発品)

    ノルレボ(国内先発品)

    15,000円(税込)

  • レボノルゲストレル「F」(国内後発品)

    レボノルゲストレル「F」(国内後発品)

    12,000円(税込)

PAGE TOP