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頭皮にできる乾癬(かんせん)とは?主な症状や原因、治療方法を解説

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乾癬(かんせん)は、白っぽく盛り上がった赤みのある湿疹が全身に現れる慢性的な病気です。大きさや数・形は人によって異なり、肘・お尻・足だけでなく頭皮にもできます。今回は乾癬とはどのような病気か、乾癬の症状や原因・治療方法についてわかりやすく解説します。
  • 松沼 寛

    HIROSHI MATSUNUMA

    1998年03月
    名古屋大学医学部 卒業
    1998年04月
    岡崎市民病院 勤務
    2000年04月
    名古屋大学医学部付属病院 勤務
    2008年07月
    市立四日市病院 勤務
    2020年04月
    イースト駅前クリニック岡山院
    院長就任
    2022年05月
    イースト駅前クリニック女性外来院
    院長就任
    資格
    泌尿器科専門医
    所属学会
    日本泌尿器科学会

頭皮にできる乾癬とは

乾癬(かんせん)は皮膚にできる慢性的な病気です。免疫の異常を起こしやすい体質の人が発症しやすい病気で、赤みのある湿疹に皮膚の粉がついているのが特徴です。若い人に発症することも多く、頭皮や肘・膝・お尻・足など、全身のさまざまな部分にできます。

白人の2~3%に起こる皮膚病ですが、日本人の発症率は0.4~0.5%程度と患者数はあまり多くありません。欧米での家族内発症率が20~40%と高率な一方、日本人の家庭内発症率は4~5%と少なく人種間の差が大きい病気です。ただし、近年では日本人でも乾癬を発症する人が増加しており、誰でも発症する可能性があります。

女性よりも男性の方が2倍程度発症しやすく、思春期から中年以降の幅広い年代で発症がみられます。また男性は50歳代、女性では20~50歳代に発症しやすいと報告されています。

乾癬は人にうつる?

乾癬は人にうつらない病気です。「かんせん」という言葉を聞くと、一般的な感染症と同様に「うつりそう」と思う方もいるかもしれません。しかし、乾癬は遺伝的な体質以外にも、さまざまな環境要因が加わって発症する可能性がある病気です。症状が酷くても、病気がうつることはありません

乾癬の主な症状

乾癬は以下の5つの種類に分類され、それぞれ特徴が異なります。
頭皮にできるのは尋常性乾癬がほとんどですが、他の種類の乾癬も起こる可能性があるので、ご自身の症状をよく注意して観察しましょう。
病名 割合 症状
尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん) 90% ・皮膚が赤く盛り上がる[紅斑(こうはん)]
・皮膚が盛り上がる[浸潤(しつじゅん)・肥厚(ひこう)]
・細かいかさぶたができる[鱗屑(りんせつ)]
・フケのような細かいものが落ちる[落屑(らくせつ)]
感染性乾癬 3~10% 関節リウマチのように、関節が腫れや痛みが生じる。皮膚の症状が現れたあとに、関節の症状を認めることが一般的。
滴状乾癬(てきじょうかんせん) 4% 若い人に多く、溶連菌感染症のあとに皮膚に水滴のような細かい赤い湿疹が現れる。尋常性乾癬に移行する人も多い。
乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう) 1% 全身に尋常性乾癬の発疹が広がり、体の80%以上が赤くなる。
汎発性膿疱性乾癬(はんぱつせいのうほうせいかんせん) ごくまれ 発熱や皮膚の赤みとともに、膿の出る水ぶくれがたくさん現れる。治りにくく厚生労働省の難病にも指定されているため、入院での治療が必要。

頭皮に乾癬が発生する原因

頭皮に乾癬が発生する原因はまだまだ研究途中で、正確にはわかっていません遺伝要素環境要因が原因と考えられていますが、一般的に乾癬は皮膚のこすれやすい場所に発生する特徴があります。頭皮は、髪の毛が伸びるときに知らず知らずのうちに毛髪が皮膚をこすったり、寝ている間に寝具とこすれたりするため、乾癬ができやすいのです。

頭皮に乾癬が発生しているときに避けたいこと

頭皮に乾癬ができているときに、できるだけ避けたいことが4つあります。それぞれくわしく解説します。

頭皮を乾燥状態で放置する

頭皮が乾燥するとかゆみを感じやすくなり、かきむしった摩擦で症状が悪化する可能性があります。保湿剤を直接塗る、保湿成分が配合されていて頭皮に優しいシャンプーを使うなど、頭皮の乾燥を防ぐケアを心がけましょう。

頭皮をかきむしる

皮膚の摩擦は乾癬ができる原因の1つです。かゆみがあっても、頭皮をかきむしるのはやめましょう。かゆみ止めや保湿剤を塗ることで、頭皮のかゆみが起こりやすい状態を改善しましょう。頭皮をかいたり触ったりすることが癖になっている方は、できるだけ頭皮に触れないようにしてください。
が伸びているとかきむしったときに頭皮のダメージが大きくなってしまうため、短く切りそろえておくとよいでしょう。

ストレスを溜める

ストレスも乾癬を発症させる原因の1つといわれています。
ストレスをゼロにすることは難しいですが、適度にストレスを発散させて溜めないようにしましょう。自分にとってのストレス発散が何に当たるのか日頃から考えておくとよいでしょう。

過度な飲酒・喫煙をする

過度な飲酒や喫煙は、乾癬が発症する原因の1つです。頭皮の血流を悪化させるので、さらに頭皮環境を悪化させ、症状が治りにくくなったり悪化したりします。乾癬の症状がみられる際は、お酒とたばこをなるべく取らないようにして、規則正しい生活を心がけましょう。

頭皮にできた乾癬の治療方法

乾癬の治療方法には4つの種類があります。症状の程度や費用によって、いくつかの治療方法を組み合わせるのが一般的です。

外用療法

外用療法は塗り薬を塗る治療方法です。
患部にステロイド薬ビタミンD3外用薬直接塗って、かゆみや赤みなどの炎症を抑えます。

光線療法

光線療法は乾癬の皮膚に紫外線を当て、症状の改善を目指す治療方法です。紫外線には免疫の過剰な働きを抑える効果が期待できます。外用薬で効果が実感できない方や、乾癬の症状が広範囲にわたる方に行われます。

内服療法

体の広い範囲に乾癬が認められる中等度~重度の方には、内服療法が選択されます。薬を飲むことで、免疫の過剰な反応を抑えたり、炎症を抑える効果が期待できます。内服療法は外用療法や光線療法と併用するのが一般的です。

注射療法

注射療法は他の治療方法で症状が改善しない方に適応される治療方法です。免疫が過剰な反応を起こす原因となる「サイトカイン」の働きを抑える効果が期待できる生物学的製剤を注射し、皮膚の新陳代謝を正常に近づけます。
注射療法は、まだまだ限られた施設でしか受けられない新しい治療法です。治療を行えるのは日本皮膚科学会が認定した一部の施設に限られるので、病院選びには注意しましょう。

頭皮の乾癬は薄毛・抜け毛の原因になるため早期治療が大切

乾癬は誰かにうつることはない皮膚の慢性的な病気です。症状を改善するのに時間がかかるケースもあり、根気よく治療を続ける必要があります。また頭皮の乾癬は、抜け毛や薄毛にも影響を与える可能性も。早期に皮膚科や頭皮ケア専門のクリニックを受診し、適切な治療を始めてください。

  • 松沼 寛

    HIROSHI MATSUNUMA

    1998年03月
    名古屋大学医学部 卒業
    1998年04月
    岡崎市民病院 勤務
    2000年04月
    名古屋大学医学部付属病院 勤務
    2008年07月
    市立四日市病院 勤務
    2020年04月
    イースト駅前クリニック岡山院
    院長就任
    2022年05月
    イースト駅前クリニック女性外来院
    院長就任
    資格
    泌尿器科専門医
    所属学会
    日本泌尿器科学会

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