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無月経とは？原因や治療法、放置するとどうなるかについても解説

無月経とは？原因や治療法、放置するとどうなるかについても解説

公開日：2023/1/18 ／最終更新日：2023/1/18

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無月経は初経が起きないこと、3か月間月経がこないことをいいます。妊娠や授乳中といった無月経は生理的なものですが、過度なダイエットが原因で排卵が止まり無月経になることもあります。
本記事では、無月経の原因や治療法、対処法、放置することでのリスクなどについて解説します。

松沼寛

HIROSHI MATSUNUMA

1998年03月

名古屋大学医学部卒業

1998年04月

岡崎市民病院勤務

2000年04月

名古屋大学医学部付属病院勤務

2008年07月

市立四日市病院勤務

2020年04月

イースト駅前クリニック岡山院
院長就任

2022年05月

イースト駅前クリニック女性外来院
院長就任

資格

泌尿器科専門医

所属学会

日本泌尿器科学会

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無月経とは？

無月経とは月経が周期的にくるべき年齢の女性において月経がこない状態を指します。多くの場合ホルモン異常などにより、排卵がないことで月経が起きなくなります。
ただし、妊娠中も排卵はないため月経は起こりません。また、授乳中もプロラクチンというホルモンが多く分泌されることで排卵が抑えられるため無月経です。

無月経の種類

無月経には大きく分けて2種類あり、初経がこないこと、または月経が途中で止まってしまう場合のいずれも無月経といいます。

●原発性
●続発性

原発性無月経は18歳になっても月経がこないことをいいます。通常、初経は14歳までにみられることから、15歳になっても月経がこないときには婦人科を受診すべきでしょう。続発性無月経は、周期的な月経があった方で妊娠、授乳中でないにもかかわらず3ヶ月以上月経が止まってしまうことです。

無月経かをチェックする方法

個人差はあるものの正常な月経周期は25～38日です。月経周期が25～38日に当てはまらない月経を不正周期月経、いわゆる生理不順とよびます。24日以内の短い周期の場合は「頻発月経」、39日以上でも月経がきている場合は「希発月経」といいますが、3ヶ月以上月経がこない状態は「無月経」に分類されます。
月経異常の定義は月経周期の日数によって変化しますが、原因や対策はさまざまです。妊娠や出産にかかわることもあるため、無月経を含む月経異常の場合には、早めに婦人科を受診してください。

無月経の原因

無月経の原因の大半は、排卵にかかわるホルモン分泌が異常を来すことです。6つのポイントでくわしくみていきましょう。

●ストレス
●無理なダイエット
●激しいスポーツ
●薬剤性
●分娩時の大量出血、中絶手術の既往
●病気

ストレス

精神的なストレスが原因で無月経になることもあります。過度なストレスは視床下部という脳の一部に働きかけ、排卵を止めてしまう恐れがあるのです。

無理なダイエット

無理なダイエットは無月経の代表的な原因です。体重減少が伴う場合は、体重を元に戻すことで月経が再開する可能性が高いと報告されています。しかし、3年以上低体重が持続してしまっている場合は、体重を戻しても月経が再開しないケースも多いようです。

激しいスポーツ

女性アスリートの間ではエネルギーの摂取量に比べて消費量が多い、相対的エネルギー不足が問題視されています。相対的エネルギー不足は月経機能に影響を与え、無月経を引き起こすだけでなく、骨の健康にも影響を与え、骨粗しょう症の原因になります。無月経になるほどの過度なスポーツは長期的に継続するのが難しいでしょう。

薬剤性

新しく薬を飲み始めたことをきっかけに月経が止まってしまった場合は、無月経の原因として薬剤性を考える必要があります。とくに、向精神薬や制吐剤、胃薬の一部は無月経を引き起こしやすいことがわかっています。無月経に至った際は、薬の服用歴も確認してみましょう。

分娩時の大量出血、中絶手術の既往

稀ではありますが、子宮内膜掻爬術によって、子宮が傷ついてしまったり細菌に感染してしまい、子宮の内膜が癒着することで月経が起きなくなることがあります。妊娠中絶の経験がある場合は、一度医師の診断を仰ぎましょう。

病気

原発性無月経は染色体異常を伴うものが多いといわれます。視力や視野に問題があれば脳腫瘍、甲状腺腫大があれば甲状腺機能異常といった疾患が疑われます。また、多毛やニキビが増えるといった症状がある場合は、不妊の原因としても知られる多嚢胞性卵巣症候群の可能性もあるでしょう。
出産後に無月経になった場合は、分娩時の大量出血で、視床下部の血流不足から機能が悪くなり排卵が抑制されるシーハン症候群も考えられます。

無月経の治療方法

生活習慣に基づく続発性無月経であればストレスの回避や、規則正しい生活リズム、バランスの良い食事や適度な運動、睡眠などで改善するでしょう。しかし、精神疾患を伴う過度なダイエットを行っていたり、栄養状態が極端に悪い場合は、点滴による栄養管理が必要です。
また、原疾患によって無月経が起きている場合は病気の治療が優先されます。
無月経の状態で挙児希望がある場合は、不妊治療が必要です。婦人科を受診し、適切なホルモン治療などを行うことで月経も再開するでしょう。

無月経は放置するとどうなる？

原発性無月経では染色体異常を伴うことも多く、放置することで妊娠が難しくなることもあります。
続発性無月経もそのままの状態を放置すると、月経が再開しにくくなるでしょう。再開したとしても、原発性無月経と同じように妊娠が難しくなってしまう恐れがあるので早めに治療開始することをおすすめします。原因にあわせて適切な治療を行ってください。

無月経の原因がわからない場合は医師に相談を

14歳までに月経がこなければ原発性無月経です。染色体異常などを念頭に、婦人科を受診のうえ治療開始することをおすすめします。
初経後に月経が止まってしまった続発性無月経では、生活習慣の乱れなどの原因が思い当たる場合は、まずそこを改善するよう心がけてましょう。無月経以外の身体的な症状、眼の症状や多毛、動悸などがある場合は、病気が隠れている可能性があります。病院を受診し、精密検査を受けましょう。

無月経は早めに治療を

無月経の原因はさまざまです。原因に心当たりがあるのであれば、適切に治療を行う必要があります。無月経では排卵が抑えられている可能性もあるので、不妊症に対するホルモン治療などを検討しなくてはいけないでしょう。いずれにしても、3ヶ月以上、月経がこない無月経の状態にあるのであれば、医療機関を受診し、医師と相談しながら治療しましょう。
体を守るためにも早めの行動が大切です。

参考URL

※1）日本産婦人科学会　若年女性の月経異常と初診時に留意すること
※2）日本産婦人科学会　体重減少性無月経
※3）日本産婦人科学会　産婦人科診療ガイドライン　―婦人科外来編2020

松沼寛

HIROSHI MATSUNUMA

1998年03月

名古屋大学医学部卒業

1998年04月

岡崎市民病院勤務

2000年04月

名古屋大学医学部付属病院勤務

2008年07月

市立四日市病院勤務

2020年04月

イースト駅前クリニック岡山院
院長就任

2022年05月

イースト駅前クリニック女性外来院
院長就任

資格

泌尿器科専門医

所属学会

日本泌尿器科学会

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